AC 電圧の印加時は、CAPZero により X コンデンサ安全放電抵抗への電流が遮断され、230 VAC では電力損失を 5 mW 未満、つまり実質ゼロ*に低減します。AC 電圧の切断時は、CAPZero によりブリード抵抗が並列に接続され、X コンデンサが自動的に放電されます。この動作により X コンデンサを自由に選択できるので、電力消費が変わらず、ディファレンシャルモード EMI フィルタの最適化と、インダクタ コストの削減が可能になります。
CAPZero を使用して設計を行うには、使用する X コンデンサの値からテーブル 1 で適切な CAPZero デバイスと外部抵抗の値を選択するだけです。このように設計を行うことで、AC 電源を切断した場合の最悪時の RC 時定数 (国際安全基準で定められた 1 秒未満) に対応できます。
EuP Lot 6 要件を満たすシステム設計を行う上で、シンプルかつ耐久性のある 2 端子 CAPZero チップは理想的な選択肢となります。
CAPZero ファミリーには、2 つの電圧グレードがあります。図 1 のように MOV が X コンデンサと平行に接続されている場合には、825 V を使用します。ディファレンシャルモード サージ電圧要件が 1.5 kV より大きく、MOV を上記以外で接続する場合には、1000 V を使用します。詳細については、「応用時の重要検討項目」をご覧ください。
*IEC62301、条項 4.5 では、5 mW 未満の待機時電力消費は 0 に切り捨てられます。